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AI活用する研修設計の範囲を決める
AI活用する研修設計の範囲を決める
成果物成果物このレッスンが終わったとき、あなたの手元に残る具体的な成果物です(例: 公開済みの Web ページ、動作するフォームなど)。
証跡証跡成果物が正しく作れたことを確認するためのチェックリストです(例: ブラウザで動作する、フォーム送信で値が保存される)。
メディアメディアレッスン内に出てくる図や動画のスロットです。実際の画面やイメージで理解を補助します。
レッスン本文
AI活用する研修設計の範囲を決める
なぜ「範囲」を先に決めるのか
旅行の計画を立てるとき、「どこに行くか」を決めないと荷造りも予約もできませんよね。研修設計も同じです。AIツール(ChatGPTやClaudeなどの、質問すると文章で答えてくれるサービス)を活用した研修をつくるときも、まず「どこからどこまでをやるか」という範囲(スコープ=やること・やらないことの境界線)を決めることが最初のステップです。
範囲が決まっていないと、気づけば内容が膨らみすぎたり、逆に何を教えるべきか迷って手が止まったりしてしまいます。このAtomでは、あなたが「AI活用研修の範囲を1枚の文書にまとめる」ことを目指します。所要時間は15分程度です。

前提を確認する
このAtomに取り組む前に、次の状態になっていると進めやすいです。
- 研修の「目的」がぼんやりとでも頭にある(例:「新入社員にAIツールの基本操作を覚えてもらう」)
- ChatGPTやClaudeなどのAIチャットツールを一度でも使ったことがある(まだの方は、無料プランで1回試すだけでOKです)
どちらもまだ…という方は、目的を一言メモしておくだけで大丈夫。進めながら整理していきましょう。
ステップ1:研修の目的を書き出す
研修で「何を実現したいか」を1〜2文で書いてみましょう。ここが曖昧だと、この後のすべてがブレてしまいます。
良い例
- 「入社1年目の営業職が、日報作成にAIを活用できるようになる」
- 「カスタマーサポート担当者が、よくある問い合わせの回答案をAIで素早く作れるようになる」
悪い例
- 「AIを学ぶ」 → 何を・どのくらい学ぶかがわからず、内容がどんどん膨らみます
- 「DXを推進する」 → 大きすぎて1回の研修では何も着地しません
書き方のコツ: 「(誰が)」「(何を)」「(どうなる)」の3要素を含めると、あとで確認しやすくなります。
ステップ2:受講者のレベルを整理する
受講者が今どのくらいAIツールを使えるかを把握します。ここを外すと「簡単すぎてつまらない」「難しすぎてついていけない」研修になってしまいます。
次の3段階のどれに近いかを選んでみてください。
| レベル | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 初心者 | AIツールを使ったことがない | PC操作はできるが、ChatGPTは未経験 |
| 経験あり | 数回使ったことがある | ChatGPTで雑談したことがある程度 |
| 日常利用 | 仕事で定期的に使っている | メール下書きを毎日AIで作成 |
悪い例: 「みんなわかっているはず」 → 前提を確認せず進めると、当日つまずく原因になります
ヒント: 事前に5問程度の簡単なアンケート(「ChatGPTを使ったことはありますか? はい/いいえ」など)をとっておくと、レベル設定に迷いません。
ステップ3:AIでどこまで助けるかの線を引く
研修の中でAIツールに「どこまで任せるか」を決めます。ここが研修設計の一番大事な判断ポイントです。
料理にたとえると、「材料のカット(下準備)はフードプロセッサーに任せるけど、味付けは自分でやる」のように、機械と人間の担当を分ける作業です。
良い例
- 「説明文の下書きはAIに任せるが、内容の正確さは人間が最終確認する」
- 「データ集計はAIに任せるが、分析結果の解釈と判断は人間が行う」
悪い例
- 「全部AIにやらせる」 → 責任範囲が不明確になり、間違いを見落とすリスクがあります
- 「AIは使わない部分が多い」 → それならAI活用研修にする必要がありません
AIに範囲案を書いてもらう
3つのステップのメモができたら、AIチャットツール(ChatGPT、Claude、どちらでもOK)を開いて、次のプロンプト(=AIへの指示文)をコピーして貼り付けてください。カッコの中身だけ、あなたの内容に書き換えます。
私は社内研修を設計しています。以下の条件で、研修の範囲(スコープ)を1ページにまとめてください。
見出し・箇条書きで整理し、専門用語は避けてください。
- 研修の目的: (ステップ1で書いた目的をここに貼る)
- 受講者のレベル: (ステップ2で選んだレベルと補足をここに書く)
- AIに任せる範囲: (ステップ3の線引きをここに書く)
- 研修の制限時間: 15分
- 出力形式: マークダウン形式(見出しと箇条書きで整理)

AIの回答が出たらやること
AIの回答は「たたき台(=下書き)」です。そのまま完成品にしてはいけません。次の手順で仕上げましょう。
- 通読する: 上から最後まで声に出さずとも目で追って読み通す
- 違和感チェック: 「自分の意図と違う」「ここは受講者に合わない」と感じた部分にメモする
- 修正する: 違和感があった部分を自分の言葉で書き直す
- 保存する: 完成した文書をテキストファイルとして保存する
追加で使えるプロンプト例(修正したい場合はこちらもコピーして使えます):
ありがとうございます。以下の点を修正してください。
- (修正したいポイント1)
- (修正したいポイント2)
それ以外はそのままでお願いします。
検証する
範囲案が仕上がったら、次の5つの観点で最終チェックします。すべてに「はい」と言えれば完了です。
| # | チェック観点 | 確認のコツ |
|---|---|---|
| 1 | 目的と範囲が一致しているか | 目的文と範囲文書を並べて読み比べる |
| 2 | 15分で終わる分量か | 箇条書きの項目数が5個以下なら目安OK |
| 3 | 受講者のレベルに合っているか | 一番レベルの低い受講者を想像して読む |
| 4 | AIと人間の担当が明記されているか | 「AIがやること」「人がやること」が文書内に書かれている |
| 5 | 専門用語なしで読めるか | 業界外の家族や友人に見せて伝わるか想像する |
つまずきやすいポイントを知っておく
| つまずき | なぜ起きる? | 対処法 |
|---|---|---|
| 範囲を広げすぎる | あれもこれも入れたくなる | 「1つの目的、1つの成果物」に絞る。追加は後からいつでもできます |
| AIの提案をそのまま使う | AIの文章がうまく見えるため | 必ず声に出して読み返す。「自分の言葉で説明できるか」が合否の基準です |
| 受講者のレベルを思い込みで決める | 確認の手間を省きたくなる | 5問の事前アンケートを作る(AIに「レベル確認アンケートを5問作って」と頼めばすぐできます) |
| 目的が抽象的すぎる | 最初から完璧にしようとする | まず「誰が・何を・どうなる」の3要素だけ埋める |
成果物を確認する
このAtomの成果物は、研修の範囲をまとめた1枚の文書(マークダウン形式=見出しや箇条書きで整理したテキスト形式)です。
完成の条件:
- AIチャットツールの出力をベースにしている
- あなた自身が読み返して修正を加えている
- 上の検証チェック5項目をすべて確認済み
- テキストファイルとして保存されている
ここまでできたら、このAtomは完了です。次のAtomでは、この範囲文書をもとに研修の具体的な構成を組み立てていきます。
種類: markdown_doc
検証: basic_manual_check_v1
証跡証跡成果物が正しく作れたことを確認するためのチェックリストです(例: ブラウザで動作する、フォーム送信で値が保存される)。
メディア
必須
なし
あると楽
なし