atom.training-designer.interactive-scenario-design
分岐型シナリオ教材を設計する
分岐型シナリオ教材を設計する 「もし A を選んだらこうなる、B を選んだらこうなる」——これは RPG やアドベンチャーゲームでおなじみの仕組みですよね。この仕組みを教材に取り入れたものが 分岐型シナリオ教材 で...
成果物成果物このレッスンが終わったとき、あなたの手元に残る具体的な成果物です(例: 公開済みの Web ページ、動作するフォームなど)。
証跡証跡成果物が正しく作れたことを確認するためのチェックリストです(例: ブラウザで動作する、フォーム送信で値が保存される)。
メディアメディアレッスン内に出てくる図や動画のスロットです。実際の画面やイメージで理解を補助します。
レッスン本文
分岐型シナリオ教材を設計する
「もし A を選んだらこうなる、B を選んだらこうなる」——これは RPG やアドベンチャーゲームでおなじみの仕組みですよね。この仕組みを教材に取り入れたものが 分岐型シナリオ教材 です。学習者が選択肢を選ぶたびにストーリーが変わるので、「自分ごと」として考えながら学べるのが最大の強みです。
この Atom では、AI チャット(ChatGPT や Claude など)を相棒にして、15 分以内に分岐型シナリオ教材の設計書を 1 本仕上げます。完成する成果物は、シナリオの全体マップ(フローチャート)と各場面の台本が書かれた Markdown ドキュメントです。
知っておくこと:分岐型シナリオ教材とは
分岐型シナリオ教材は、料理のレシピにたとえると分かりやすいです。
- 普通のレシピ:手順 1 → 手順 2 → 手順 3 → 完成(一本道)
- 分岐型レシピ:手順 1 → 「辛口にする? マイルドにする?」→ 選んだ方の手順に進む → 結果が変わる
教材も同じで、学習者に場面ごとの判断を求めることで、ただ読むだけよりも深い理解につながります。

分岐型シナリオの 3 つの要素
| 要素 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 場面(シーン) | 学習者が置かれる状況 | 「新人がお客様からクレームを受けた」 |
| 選択肢 | 学習者が選べる行動(2〜3 つ) | 「すぐ謝る」「上司に相談する」「事実確認する」 |
| 結果と学び | 選んだ行動がもたらす結果 | 「すぐ謝る → お客様は落ち着いたが原因未解決」 |
準備する:テーマと学習ゴールを決める
まず「この教材で学習者に何を学んでほしいか」を 1 つだけ決めます。
良い例:
- 「クレーム対応の初動で、事実確認を先にする大切さを体感してほしい」
- 「新人マネージャーが 1 on 1 で傾聴する重要性に気づいてほしい」
悪い例:
- 「ビジネスマナー全般を学ぶ」(広すぎて分岐が収拾つかなくなる)
- 「正解を当てるクイズ」(分岐の意味がない)
ポイント: 分岐型は「正解がひとつではない判断」を扱うのに向いています。唯一の正解があるなら、普通のクイズ形式の方が適切です。
作る(ステップ 1):AI にシナリオの骨格を考えてもらう
以下のプロンプト(= AI への指示文)をコピーして、ChatGPT や Claude に貼り付けてください。【 】の中だけ自分のテーマに書き換えます。
あなたは研修教材の設計者です。
以下のテーマで分岐型シナリオ教材の骨格を作ってください。
■ テーマ: 【クレーム対応の初動判断】
■ 学習ゴール: 【事実確認を先にする重要性を体感する】
■ 対象者: 【入社1年目の営業担当】
■ 分岐数: 最初の場面から2つの選択肢、それぞれ1回ずつ分岐(合計3場面・4つの結末)
出力形式:
1. 導入場面の状況説明(3行以内)
2. 選択肢A / 選択肢B の行動内容(各1行)
3. 選択肢Aを選んだ後の場面と、さらなる選択肢A-1 / A-2
4. 選択肢Bを選んだ後の場面と、さらなる選択肢B-1 / B-2
5. 4つの結末それぞれの「結果」と「学びのポイント」
AI が返してきた骨格をそのままコピーして、手元のメモ帳やドキュメントに貼り付けておきます。
よくあるつまずき
- AI が分岐を増やしすぎる → プロンプトで「分岐数: 最初の場面から2つの選択肢」と明示しているか確認してください。それでも多い場合は「分岐は合計 4 結末以内にしてください」と追記します。
- 内容が抽象的すぎる → 「具体的なセリフや行動を含めてください」と追加で指示します。
作る(ステップ 2):フローチャートに整理する
AI が出してくれた骨格を、目で見て分かる図(フローチャート)にします。AI に続けてこう頼みます。
上のシナリオをMermaid記法のフローチャートにしてください。
各ノードには場面の要約(10文字以内)を入れてください。
Mermaid 記法(=テキストで図を描く書き方)で返ってくるので、中身を確認してください。こんな感じの出力になります。
flowchart TD
A[クレーム発生] --> B{どうする?}
B -->|すぐ謝る| C[謝罪場面]
B -->|事実確認| D[確認場面]
C --> E{次の行動}
D --> F{次の行動}
この Mermaid 記法は後で図として表示できますが、今の段階ではテキストのままで OK です。「場面のつながりが一目で分かる」ことが大事です。
作る(ステップ 3):各場面の台本を書く
骨格とフローチャートが揃ったら、各場面の台本(スクリプト)を AI に書いてもらいます。
先ほどのシナリオの各場面について、以下の形式で台本を書いてください。
【場面名】
状況説明: (学習者に見せる文章。2〜3文で臨場感を出す)
選択肢:
- A: (行動の内容)
- B: (行動の内容)
結果(Aを選んだ場合): (何が起きるか。1〜2文)
結果(Bを選んだ場合): (何が起きるか。1〜2文)
学びのポイント: (この場面で気づいてほしいこと。1文)
AI の出力をドキュメントに追記します。

確認する:設計チェックリストで見直す
完成した設計書を、以下のチェックリストで見直しましょう。
- 学習ゴールとの一致: すべての結末が、最初に決めた学習ゴールに関連しているか?
- 選択肢の公平さ: 「明らかに正解」の選択肢がないか? どちらを選んでも学びがあるか?
- 分量の適切さ: 場面は 3〜5 個以内か?(多すぎると 15 分で終わらない)
- 対象者の目線: 対象者が実際に遭遇しそうな場面か? 非現実的な設定になっていないか?
- 結末の学び: 各結末に「なぜこうなったか」の説明があるか?
良い例(選択肢の公平さ):
- 選択肢 A「まずお客様の話を最後まで聞く」→ 信頼は得るが時間がかかる
- 選択肢 B「すぐに解決策を提示する」→ 早いが的外れになるリスク
悪い例:
- 選択肢 A「丁寧に対応する」→ うまくいく
- 選択肢 B「無視する」→ 失敗する(これはクイズであって分岐シナリオではない)
仕上げる:成果物をまとめる
最終的な成果物として、1 つの Markdown ドキュメントに以下をまとめます。
- テーマと学習ゴール(冒頭に記載)
- フローチャート(Mermaid 記法またはテキスト図)
- 各場面の台本(場面ごとに状況・選択肢・結果・学び)
- 設計チェックリストの結果(問題があれば修正メモ)
ここまでできたら、あなたは「AI を使って分岐型シナリオ教材を設計する」スキルを手に入れたことになります。
つまずいたときは
| 困りごと | 対処法 |
|---|---|
| AI の出力が長すぎる | 「各場面の説明は3文以内にしてください」と指示を追加する |
| 分岐が複雑になりすぎた | 結末を 4 つ以下に絞り、途中の分岐を減らす |
| 選択肢が思いつかない | AI に「この場面で新人が取りがちな行動を3つ挙げて」と聞く |
| 学習ゴールからズレてきた | 最初のプロンプトに「学習ゴールに関係ない分岐は作らないでください」を追加する |
種類: markdown_doc
検証: basic_manual_check_v1
証跡証跡成果物が正しく作れたことを確認するためのチェックリストです(例: ブラウザで動作する、フォーム送信で値が保存される)。
メディア
必須
なし
あると楽
なし